アドベントカレンダー:ポート・アーサーを想う

皆さまご無沙汰しております。「War-Gamers Advent Calendar 2025」7日目の記事です。

12/6 0:00に登録がなかったのでこれを書き始めているわけですが、もう日付変わって今日はソフィア例会なんじゃよ。というわけで駆け足で、前回ちょっと触れかけた『Port Arthur』(XTR / IED)の話をしていきたいと思います。

アイキャッチ画像はGrokに「Scenery of Port Arthur from top of hill」と要求して生成したものです。どこやねん。ポート・アーサーといえば旅順のほかにジャニス・ジョプリンの出身地としても知られるテキサス州の都市や、ユネスコ世界遺産の「オーストラリアの囚人遺跡群」のひとつであるタスマニア州の町などがありますが、そのどれでもないっぽい。いったい何を学習したんだ。

ゲームのはなし

でまあ『Port Arthur』なんですが、なかなかにクセがつよつよのゲームでして、ルールそのものは別に難しいこともない、シンプルなメカニクスなのですが、その組み合わせ方が。

  • 補給切れあり
  • 通常移動時にZOCなし
  • 戦略移動無制限

特に上記3つがこのゲームのスタイルを決定づけております。どれもひとつひとつは珍しくないですよね。ですがこれらが同時に適用されることによって、いきなり互いの急所を狙いあうサツバツとしたゲームになります。

こうはならない。

こういう両軍が戦線を引いて対峙し、押し引きする光景は見られません。日露戦争の史実がそうではなかったのだからそりゃそうだろうという話もありますが、

かといってこうなるわけでもない。

適当に並べましたが、少し史実っぽくなったでしょうか(単にエポック日露っぽいだけかもしれない)。まあ、ぽかろうがなんだろうが、フェイク画像なんですが。どっちみちこういう展開にもなりません。

実際の展開

対人対戦をやったことがないので(こんなの誘えないよ!)、ソロプレイをした手触りだけで書きますが、『Port Arthur』は常に補給を断つ隙を窺うゲームになります。補給切れの影響は

  • 移動力、戦闘力が半減
  • 戦略移動が不可

ステップロスがそのままVPになるこのゲームにおいて戦闘力の低下は痛いですし、戦略移動が封じられたユニットはただの案山子と化します。常に補給線を切る、切られない機動を意識する必要があります。

序盤のムーブは下図のようになるでしょう。

第2ターンのロシア軍通常移動フェイズを終えたところまで。

特別ルールによって両軍とも第1ターンは戦略移動ができないので、第2ターンからが本番と言えます。マップの上のほう(西)にロシア軍の戦線らしきものができていますね。これは次の日本軍戦略移動に対する備えです。戦略移動で敵ユニットに隣接することができないというルールがありますので、戦略移動に対してはZOCのようなものが働きます。この備えを怠ると戦略移動でいきなり補給源を踏まれてしまいます(それを禁ずるルールはない)。ちなみに下のほうの2ユニットは包囲されているというよりは、戦略移動を妨げるためにあえて接敵しています。

おはようございます!

ソフィア例会を終えて打ち上げの酒に酔って帰宅して寝て起きてイマココです。続きを書きますよ。

続けます

対して日本軍の戦略移動はこうなるでしょう。

こちらも戦線らしきものを張ります。これを怠ると次のロシア軍戦略移動で日本軍の補給が断たれます。ルールによりロシア軍は鴨緑江を越えることができませんが、10ユニットあれば鴨緑江対岸に敷き詰めることが可能です。

この時日本軍右翼のユニット4つほどは次ターンの通常移動でロシア軍補給源を踏める距離まで接近しています。そのため次のロシア軍戦略移動は一例として下図のようになるでしょうか。

繰り返しになりますがZOCがないゲームですので、敵軍の浸透を阻むためにはユニットを隙間なく敷き詰める必要があります。遼陽をどのくらいの強度で守るかは個人の好みというかバランス感覚によって変わるところだと思います。

ここからは両軍が接触して戦いが始まり、いきなり10ユニットも戦略移動させるような余裕はなくなってきます。主に奉天(とロシア軍補給源)をめぐる戦いになるでしょう。

この先の展開についても若干語りたいことがあるのですが、もう正午を回りましたし、12月7日のエントリとしてはここまでにしようと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA